兼延の刀は現代居合界で、刃に粘りがあって刃毀れしない、切れ味優れると評判が高く、長さが有るのに振って疲れない剣士向ともいえる刀でバランスは最高です。
刀 濃州住兼延古代鍛作 昭和五十六年八月日 変塗鞘突兵拵入 岐阜県重要無形文化財保持者
Katana [Nosyu-ju Kanenobu] Gifu Prefecture as a Preserver of Intangible Cultural Properties
刃長 Blade length (Cutting edge) : | 72.8cm(二尺四寸) |
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反り Curve(SORI) : | 1.6cm |
元幅 Width at the hamachi(Moto-Haba) : | 3.30cm |
元鎬重 Thickness at the Moto-Kasane : | 0.73cm |
先幅 Wide at the Kissaki(Saki-Haba) : | 2.60cm |
先鎬重 Thickness at the Saki-Kasane : | 0.50cm |
茎 Sword tang(Nakago) : | 生ぶ、鷹羽鑢目、目釘孔1個。 |
拵全長Length of Koshirae : | 約104cm |
重量(鞘を払って)Weight including handle : | 1180g |
登録 Registration card : | 岐阜県 |
岐阜県重要無形文化財の指定を受けた昭和前期を代表する刀匠、濃州住兼延の優刀です。本名は丹羽脩司、岐阜県住。明治三十六年生まれ。昭和二十九年十二月四日作刀認可。 関の刀匠で美濃伝日本刀鍛錬技法保持者5名のうちの一人です。(善定真勢子藤原兼吉-丹波兼信-本人、丹波兼延-亀井昭平)
兼延の刀は現代居合界で、刃に粘りがあって刃毀れしない、切れ味優れると評判が高く、どの作も姿は豪壮ながら刀身バランスが良く、振り切って、重量を感じないもので、作者物故となった今では由緒正しき貴重な一振となります。
本作の兼延も評判とおりの御刀で、長さが有るのに振って疲れない剣士向ともいえる刀でバランスは最高です。体配は元幅、先幅にいたっても広く、重ね十分について姿は豪壮。地鉄は、板目肌に杢目交じる肌が美しく現れます。刃文は、直で焼き出しゆったりと湾れながら先に近くなるにつれて丁子乱れを交えます。刃中は足・砂流しが盛んに働きます。帽子は乱れて先小丸に返ります。茎は生ぶで鷹羽鑢目に仕立てて立派な銘が入っております。振ってみると重量のバランスが非常に良く、姿から想像できる通りであり、良い刀、実用的な御刀とはこういう刀のことなんだなと再認識させられます。さて、拵ですが、味わいある皮巻柄、こじりは突兵となり、常に戦闘を意識しているかの様子で覇気があり、とてもよろしいかと思います。地刃、拵ともに十分に楽しむことができる御刀です。上段剣士の愛刀としては勿論のこと、刀掛けに飾っても見事ですので、鑑賞刀としてもお勧めです。変塗鞘突兵拵入。金着せ一重はばき。