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警察庁保安課を訪問

十一月二十九日、深海理事長と清水専務に同行して警察庁の保安課を訪ねました。今回は『刀剣界』の編集委員として取材を兼ねての訪問です。

さすがに霞ヶ関の庁舎の偉容には、一般の人が入るには一瞬ためらわれるような迫力がありました。理事長は専務理事時代の八年間と現職の期間を合わせると警察庁訪問は十数回、清水専務も七年間専務職にあり、お二人とも慣れたものでしたが、私は終始緊張していました。

今回の訪問の理由は、ご指導いただいた『やさしいかたな』の新版が出来上がった、その報告ということでしたが、話題の大半は銃刀法に関するものでした。理事長は、所有者変更届に関する各都道府県のまちまちな対応や、登録内容の不備に関する警察署の不適切な対応などについて、実例を挙げて話しました。銃器対策の専門担当官は、理事長の提起に一定の理解は示しましたが、登録業務や所有者変更の件は文化庁の管轄であって、警察はあくまでも発見届出までという従来の主張を繰り返すにとどまりました。

理事長はさらに、登録証の不正取得や改ざん等は当然警察の担当であり、登録証の付いている刀剣類はすべて文化庁.都道府県教育委貝会の受け持ちという考え方では問題の解決にならない旨を訴えました。

警察庁がすぐに対処するとの回答は得られませんでしたが、この問題は組合と警察庁だけでなく、文化庁や登録事務を扱う教育委員会なども含めた関係機関との検討機会が設けられるべきではなかろうかということになりました。

当組合の警察庁の窓口は従来、認可された当初の生活安全課だけであったものが、前回会談より保安課にも相談に行けることになり、一歩前進であることには間違いありません。生活安全課は主に古物営業法に関わることが主体であるのに対して、保安課は銃器対策をはじめとして刀剣の担当官を配置している部署でもあり、今後は保安課を訪ねる機会も増えるのではないかと予想されます。

理事長が生活安全課に対して銃刀法の関連事項をしきりに相談されるので、生活安全課の課長さんが同じレベルの保安課の担当官を紹介してくださり、相談のテーブルにつけたという経緯もあります。

約一時間の話し合いの中で、当方の主張は一通り聴いていただけたので、あとは、組合として文化庁·教育委員会等との会談機会を設ける作業に入る必要があろうかと考えられます。

貴重な時間を割いていただいた警察庁保安課の原田警視正と、保安課をご紹介いただいた生活安全課の上條課長には、あらためてお礼を申し上げます。

『やさしいかたな』の普及とともに、刀剣類の所有者変更届出がとみに多くなっていますが、そのために業界はじめ、刀を所有する愛好家が不利益を被ることなど、あってはならないことです。何とか組合の力を結集して問題の解決を図りたいものです。 (生野 正)

《※本記事は、弊社代表が執筆し、組合誌「刀剣界 第15号」(2014年1月15日発行)に掲載された内容を再構成したものです。》

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