刀 肥前国住近江大掾藤原忠廣 特別保存刀剣鑑定書 新刀上々作 大業物

品番：KA-090315
価格 (price)売約済/sold out(JPY)
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鑑定書：Peper(Certificate): 特別保存刀剣鑑定書

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)： 肥前国,佐賀県(Hizen)　江戸時代・寛文頃（Edo era １６６１年頃）

刃長：Blade length(Cutting edge): 71.9ｃｍ（二尺三寸七分）　反り：Curve(SORI): 1.5ｃｍ
元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.24ｃｍ 元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 0.72ｃｍ
先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.65ｃｍ　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.62ｃｍ
茎：Sword tang(Nakago): 生茎、切り鑢目。目釘穴一。

体配：Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切っ先。
地鉄：Jigane(Hada): 小板目肌極めて詰んで粉糠肌となる。
刃文：Temper patterns(Hamon): 小沸出来の中直刃。
帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): そのまま直ぐとなり小丸に返る。
登録：Others: 千葉県　昭和２６年

【解説】近江大掾忠廣は初代肥前國忠吉の子で、幼名は平作郎。彼が十九歳の時、寛永九年八月に父忠吉が六十一歳で没した為、若くして家督を継ぎましたが、既に一流刀工としての技を得とくしており、一門を統率して家名を盛り立てたと伝えられています。こうして一人立ちした平作郎は、父と同じく新左衛門と名を改めて、佐賀藩工として鍋島勝茂に仕えました。寛永十八年には近江大掾を受領。近江大掾忠廣は刀剣需要の多い時期に佐賀藩工として門弟を統率しながら数々の優れた作品を残しました。近江大掾忠廣の知名度は高く、大業物に列位するほど切れ味の性能にも優れ、現代に於いても超人気刀匠に数えられます。貞享三年、嫡子陸奥守忠吉（三代目）の亡き後は孫の近江大掾忠吉（四代目）を指導、元禄六年五月、八十歳の高齢をもって天寿を全う、作刀期間は六十有余年、肥前刀の名を世に高らしめた稀代の名工です。
本刀は、身幅広く、重ねが厚い豪壮な新刀姿で、先幅も落ちず、反り頃合、鎬筋凛とし、肥前の上作らしく姿は抜群であり、健体ぶりを示す文句なしの御刀です。地鉄は小板目肌深く錬れてよく詰んだ潤いのある小糠肌で細かい地景がかかります。これは肥前刀肌と云われる近江大掾忠廣特有の肌合いです。刃文は最も得意とする匂いが深めで明るく冴え、加えて刃縁に小沸が帯状につく中直刃を焼いています。刃縁には細かな金筋かかり働きます。帽子はそのまま直でふくらに沿い小丸へ上品に返ります。茎は生ぶ。刻銘は力強く立派。錆味も良いです。代々忠吉宗家の出来は本来直刃であり、中でも本作は姿もよく出来映えは上々。実に健全で人目を引く十分な魅力に溢れた傑出な一振りであります。（平成１５年１２月号、麗の表紙を飾った、当時価格４５０万円の名刀です。）白鞘、金着せ一重はばき、特別保存刀剣鑑定書