出来が良く、表裏の彫刻が刀身を引き締めており、姿が優美で祐永の作風を十分に示した一振りです。
刀 横山加賀介藤原朝臣祐永 弘化四年二月日 (菊紋)一備陽長船士 新々刀 上作 保存刀剣
Katana [Yokoyama Kaganosuke Sukenaga] NBTHK Hozon Touken
品番:KA-070515
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鑑定書:Paper(Certificate): 財団法人 日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai) : 岡山県-南東部(Okayama) 弘化四年(Edo~1847年)
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刃長:Blade length(Cutting edge): 68.2cm(二尺二寸五分) 反り:Curve(SORI): 2.1cm 元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.0cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.76cm 先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.2cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.6cm 茎:Sword tang(Nakago): 生ぶ茎、浅い勝手下鑢目、目釘孔一. 体配:Shape(Taihai): 中切先、鎬造、庵棟。 彫物:Engraving: 表に独鈷剣と梵字、裏に蓮台と護摩箸、梵字を彫る。 地鉄:Jigane(Hada): 小板目肌、地沸つく、淡く映り立つ。。 刃文:Temper patterns(Hamon): 直刃、匂い口締まり心小沸つく。 帽子:Temper patterns in the point(Bohshi): 先小丸へと深く返る。 登録:Others: 東京都
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【解説】新刀期の横山一派は備前国長船の地で栄え、新々刀期を経て明治の廃刀令まで続く御家です。初代の祐永は「友成五十六代孫」と号して、嘉永4年に57歳で没しています。弘化4年頃は、初代が亡くなって二代祐永が活躍していましたので、本作は二代祐永の盛期作ということになります。 本作体配は、刃長が二尺二寸五分、身幅、重ね尋常。反りが深く利いて表裏の彫刻が刀身を引き締めている優美な姿の御刀です。地鉄は小板目肌が良く詰んで美しく、地沸付き淡い映りが立ちます。刃文は小沸出来の明るい直刃を焼いていて、匂い口締まりこころで冴えた刃となります。刃中には足、葉、の働きがあります。帽子はそのまま直で先小丸へ深々と返ります。茎は生ぶで錆味がよく、確りとした鏨使いで長銘が刻されています。作品は直刃の完成度の高さ、要するに匂いの強さと幅が限りなく均一に焼かれている点、それらを実現するためには鍛肌が綺麗で密であること。高度な技術をもって一分の乱れもなく見事に焼きあげているあたりは流石であり、祐永の技量の高さを十分に示しています。相まって丁寧な彫刻が一際刀の美しさを際立たせている、本刀は横山加賀介藤原朝臣祐永の優品の一振りです。
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