刀 伊豆住貞吉貞人作　平成巳卯年五月日　無鑑査刀匠　附 変塗鞘突兵拵 （居合向）

品番：KA-081911
価格 (price)売約済/sold out(JPY)
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鑑定書：Peper(Certificate): 現代刀にて未鑑定。銘保証。

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)： 静岡(Izu)　平成巳卯年（平成１１年）

刃長：Blade length(Cutting edge): 71.2ｃｍ（二尺三寸五分）　反り：Curve(SORI): 1.8ｃｍ
元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.0ｃｍ   元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 0.6ｃｍ
先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.1ｃｍ　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.35ｃｍ
拵全長：Length of Koshirae : 約102cm    茎：Sword tang(Nakago): 生茎、化粧勝手下鑢目。目釘穴一。
刀身重量（裸身）：Weight only of blade: 568g   刀身重量（鞘を払って）：Weight including handle：866g

体配：Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切っ先。
地鉄：Jigane(Hada): 板目肌に大杢目肌、地沸つく。
刃文：Temper patterns(Hamon): 互の目乱れ。
帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): 焼き高く一枚風となり返る。
登録：Others: 静岡県

【解説】貞吉は月山貞一の父、貞勝の門人です。本名は榎本貞市、「湧水子」、晩年には「湧水心」と号します。明治４１年徳島県生まれ。昭和３年より月山貞勝に師事します。昭和１８年に独立し静岡三島へ移住。太平洋戦争後より数多くの入選を果たし最高位無鑑査刀匠となりました。平成１２年没。貞吉は鍛えの名人として評価が高く、月山貞勝門下では人間国宝の月山貞一、高橋貞次と並ぶ名手として世に知られています。作品は特に相州伝の優れた作を残し、正宗や志津を狙った作刀を多く見ます。
貞人(貞吉の子)、本名は榎本栄七郎。昭和２９年（1954）生まれ。無鑑査刀匠である父に師事し鍛刀法を学びます。父親譲りの才能を生かし、数多くの入選を受賞。今後の更なる活躍が期待されている刀匠です。本刀は貞吉の最晩年の遺作で、貞人親子合作の典型作です。
本作、体配は、身幅尋常、重は薄く軽重量刀をねらった造込み。鎬造、庵棟、中切っ先。長さ二尺三寸五分にして、刀身重量（鞘を払って）８６６ｇ。常寸、優姿でありながら女性剣士、年配者を問わずお使いいただける御刀です。地鉄は、よく練れた板目肌に大杢目肌が連なる美しい肌に地沸がついた明るい鍛鉄で地鉄は精良。鍛えの名人との評価に納得させられます。刃文は、小沸出来の互の目乱れで、小沸、匂ともに柔らかく深く付いた冴えた刃です。刃縁、刃中には、砂流し、金線他が様々に働き覇気が有ります。帽子は焼幅を広めて､一枚風となり返ります。茎は月山仕立てで流石に立派です。きちんとした鑢目仕立てに、力強い銘が刻されています。銘ぶりからも作品に対する自信と親子の熱意が感じられ、見る者に感銘を与えてくれます。軽量で軽快な截ち回りが可能な注文打ちの刀であり、上々の出来を示した銘、伊豆住貞吉貞人作。注文打ちの一振で、貞人親子合作の典型作です。本品、上級居合刀としては無論のこと、美術鑑賞刀としてもお楽しみいただけます。重量、バランス共に優れた御刀ですから、師範先生方の帯刀としても御奨め品です。白鞘、附 変塗鞘突兵拵、銀無垢はばき。